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ブランド米の戦国時代(新品種ラッシュ!)

 

ブランド米戦国時代

(新潟・福井・富山・山形・青森・岩手・宮城)

 

 近年、良食味品種の育成やブランド化が全国各地で盛んに行われ、産地間競争が激化しています。各産地とも自県産米の影が薄れつつあると危機感を持っている。

 

 2018年(平成30年)にコメについて国の生産調整(減反)が廃止される。昭和45年から続く国による生産調整の目標配分が廃止され、平成30年以降は県と地域の農業再生協議会が生産量の目安を示す。生産調整のメリットであるコメの直接交付金(10㌃=7,500円)が29年産を最後に廃止される影響を含めて、需給と米価の行方が不透明である。今後、ブランド米をめぐる産地間競争は、益々激しさを増すばかりです。

 

 今日の新品種開発は、コメ離れが進む若年層の嗜好の変化に対応するためだけでなく、最も深刻なことは、年々進む温暖化に備えるためなのです。暑さに強いお米を育てることです。高温に弱いコシヒカリの後を狙うおコメが、続々とデビューします。

 

 29年・30年と全国の主要産地からデビューする新品種はのほとんどは『家庭用』向け良食味米です。消費量の減少が続く中、単価の高いブランド米で勝負ではあるが、家庭用向け高額銘柄米の市場はいわば、飽和状態となっている。

   

山形県「つや姫」あっさり系

北海道「ゆめぴりか」低アミロース米
新潟県「新之助(102号)」晩稲(おくて)大粒で、コクと甘味が強い

 

◇ 青森県「青天の霹靂

◇ 岩手県「銀河のしずく」「金色(こんじき)の風

◇ 山形県「雪若丸(東北112号)」大粒 つや姫」の弟分

◇ 宮城県「だて正夢(東北210号)」低アミロース米

◇ 福井県「いちほまれ(越南291号)」全米史上最高ブランド誕生!

◇ 富山県「富富富(富山86号)」あっさり系の薄味

◇ 石川県「ひゃくまん穀(石川65号)」晩稲(おくて)大粒

 

 

 コシヒカリ一強時代の終わり! 

 

コメの新品種開発は、現在、「主要農作物種子法」という法律によって、各都道府県で進めることが定められている。このため、新しい銘柄米の開発は行政と農業試験場などの公的な研究機関が中心になって進めている。ここのところ立て続けに登場している新銘柄も、こういった経緯で産み出されたものがほとんどです。

日本農業新聞(2017.4.15)より記事抜粋!
日本農業新聞(2017.4.15)より記事抜粋!
2017-2018年 注目の新品種
本格デビュー 銘  柄   都道府県
2017年(平成29年)  新之助  102号 新潟県
 金色の色   岩手県
 ひゃくまん穀  石川65号 石川県
2018年(平成30年)  富富富(ふふふ)  富山86号 富山県
   越南291号 福井県
 雪若丸  東北112号 山形県
 だて正夢  東北210号 宮城県

山形県 特栽つや姫

北海道 特栽ゆめぴりか



福井県

新潟県

山形県



岩手県

宮城県

富山県



東北

岩手「銀河のしずく」‥独特の硬さともっちり感が特徴。

岩手「金色の風」‥甘みが強く冷めても硬くなりにくい。

宮城「だて正夢」‥粘りの強さが特徴。

北陸

福井「越南291号」‥史上最高ブランド米

石川「ひゃくまん穀」‥粘りが強く大粒で食べごたえがある。

富山「富富富」‥高温下でも良食味が期待できる。

新潟「新之助」‥あっさりとした美味しさ。

九州

熊本「くまさんの輝き」‥粘りと光沢に優れている。

 

 


『2017年度都道府県別の農林水産予算(案)』

「売れるコメ作りへの支援」 

 45都道府県のうち35道府県が農林水産予算を減額のなか、8県だけが増額した。

新潟県(業務用米の生産拡大)7,608万円

北海道(品種開発)1,000万円

秋田県(大規模化)683万円

 

青森県(青天の霹靂)高品質生産1,828万円、販売促進8,410万円

福井県(ポストこしひかり)1億4000万円

京都府(京のプレミアム米)8,100万円

 

茨城県(商品開発)5,000万円

愛媛県(かんきつ輸出)391万円

福岡県(米国輸出)1,991万円