玄米 あれこれ

 

 

 

 


玄米の外観品質は、透明で粒張りのよい「整粒」と、それ以外の未熟粒(白濁し充実度が劣る)、被害粒(胴割粒や発芽粒)、着色粒(カビ、カメムシによる斑点米)、死米(未熟粒の症状が激しく粉状質で光沢がない)などに分類されます。

 

未熟粒の中に乳白粒(にゅうはくりゅう)、心白粒(しんぱくりゅう)、腹白粒(はらじろりゅう)、背白粒(せじろりゅう)、基部未熟粒(きぶみじゅくりゅう)(=基白粒(もとじろりゅう))がありますが、最近はこれら白濁した玄米をまとめて≪白未熟粒(しろみじゅくりゅう)≫と呼びます。白未熟粒のうち高温で多発するのは、主に乳白粒、背白粒、基部未熟粒です。白未熟粒の白濁部分は、デンプン粒とデンプン粒の間に隙間ができており、光が乱反射するため白く濁って見えるとされています。これら白濁した部分は症状が激しくなると籾すり・精米・炊飯などの調製・加工時に砕けやすく、炊飯米が糊状にベタつくなど食味も低下することが指摘されています。

 

 

高温登熟条件では充実不足粒も多くなるが、その特徴は、

  1. 玄米が扁平、
  2. 玄米表面の縦溝が深い、
  3. 皮部(糠層)が厚い  ことである。

白未熟粒歩合は、出穂後20日間の日平均気温が26~27℃を超えて高くなると急激に増加し、その傾きは1℃で約10%という報告があります。特に背白粒と基部未熟粒の発生と気温との関係は明確であり、高温で成熟が促進されることにより早期に登熟が停止し、登熟後期にデンプンが蓄積される背側の登熟が不十分になるとみられます。なお、生育後半の窒素施肥が少なく登熟期の葉色が薄い場合には背白粒、基部未熟粒の発生が助長されます。

 

乳白粒も出穂後20日間の気温が高いと多くなるが、この時期が日照不足になった場合や㎡あたり籾数、特に2次枝梗に着く弱勢穎果が多い場合に明確に増えることがわかっており、気温との関係が不明瞭になることもあります。乳白粒は、デンプン蓄積速度が早くなる登熟中期に穎果間の光合成産物の競合がおこり、一時的にデンプン蓄積が不十分になることで発生するとされています。高温はデンプン蓄積速度の上昇を、日照不足は光合成産物の不足を、㎡あたり籾数の増加は穎果間の競合を激しくすることで乳白粒を増やすと考えられています。

 

充実不足粒の発生を助長する気象条件としては、高夜温が挙げられます。夜温が高くなると玄米中の細胞(胚乳細胞)が小さくなって特に玄米が薄くなって千粒重が低下します。近年、充実不足の程度を数値的に評価する手法が開発され、穂肥の減少が充実不足を助長することも示唆されていますが、詳細は今後の研究に負うところが大きいようです。

 

[参照](独)農研機構 九州沖縄農業研究センター 森田 敏


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