エルニーニョ現象 

気象庁
気象庁


今年の5月は、「戦後最も暑い5月」となり、平成27年産米の生育は好条件の中でのスタートとなりました。これは、昨年夏に発生し、春から再び発生し始めたエルニーニョ現象が指摘されています。

では今後、特に7~8月は「暑い夏」となるのでしょうか?


エルニーニョ現象


気象庁の資料によると、エルニーニョ発生時の夏の低温確率は、北・西日本が38%、東日本が50%と低温傾向が現れています。全国的に梅雨明けは遅れる傾向にあります。


気象庁の統計資料によると、5月に気温が高かった年は昭和26年~平成26年の過去64年間で計10回あり、コメ作況は作況106以上の「良」が2回、102~105の「やや良」が3回、95~98の「やや不良」が5回と不作率は50%となっています。



エルニーニョ・ラニーニャ現象(気象庁)

エルニーニョとは、もともと「男の子(神の子キリスト)」を意味するスペイン語で、南米ペルー沖の太平洋赤道域で、海面水温が平年より高くなる状態が1年程度続く、海洋現象のことです。発生すると、地球全体の大気の流れが変わるため、世界的な異常気象の引き金になるとされています。

エルニーニョが発生すると、日本の夏は全国的に気温が低くなる傾向にあります。

日本銀行内では、エルニーニョによる冷夏が個人消費や消費者心理を冷やし、景気の足を引っ張る可能性を懸念する声が出ています。

 


≪ エルニーニョ現象とコメ作況指数 ≫
発生期間 全国作況(年産)
  昭和26年春~26/27年冬    93 (26年産)
  昭和28年春~28年秋   84 (28年産)
  昭和32年春~33年春  107(32年産)
  昭和38年夏~38/39年冬  101(38年度)
  昭和40年春~40/41年冬  97 (40年産)
  昭和43年秋~44/45年冬  102(44年産)
  昭和47年春~48年春  103(47年産)
  昭和51年夏~52年春  94 (51年産)
  昭和57年春~58年夏  96 (57年産)、96 (58年産)
  昭和61年秋~62/63年冬  102(62年産)
  平成3年春~4年夏  95 (3年産)、101(4年産)
  平成9年春~10年春  102(9年産)
  平成14年夏~14/15年冬  101(14年産)
  平成21年夏~22年春  98 21年産
(注)作況指数は夏(6~8月)にエルニーニョが発生していた年のみ。