平成26年産米、長雨と日照不足(8月)

今夏は、日本列島の広い範囲で「長雨」「日照不足」が続いており、農作物に病害の発生や生育の遅れなどの影響が出ています。

 

徳島県南部や高知県の早場米産地は、7月下旬から8月にかけて収穫作業に遅れが出ました。

秋田県では、局地的な集中豪雨により水田が浸水・冠水の被害と、台風による高温の強風で稲穂が白くなって実がならない白穂(しらほ)と穂が黒ずむ褐変(かっぺん)の被害が出ています。

長野では、台風11号後の降雨とフェーン現象で一部地域で水稲の白穂やもみの褐変の被害が出ています。

 

平成26年産米の生育の遅れが懸念されています。

※白穂(しらほ)とは、こちら

 

(Q&A)黒くなっているモミと白いモミ
  1. 1つのもみに黒い点のようになっている場合の多くはカメムシです。もみの登塾途中の液状の時期に、口からでている針をもみに刺して、そこから中の養分を吸い取ってしまいます。もみに開いた穴が空気に触れることで細菌が繁殖して、カビなどが発生して黒くなります。
  2. 1つのもみ全体にかかるように黒っぽい、もしくは茶色に変色している場合は、強風などでもみに傷がついてそこに細菌が繁殖して変色したものです。
  3. 1つのもみにたくさんの黒い斑点ができる場合は穂イモチ病などの感染が原因です。穂だけではなく葉や茎も同様の病気がみられますので、自然現象か病気かの区別は容易につきます。
  4. もみの中に米が入っていない白穂の場合も同様に、原因の多くは害虫と環境が関係しています。【穂が出た後の水管理】でも説明していますが、幼穂のでき始めから登熟期・成熟期にかけて水が一番必要になる時期ですが、この時に水不足になった場合や、幼穂ができ始めの時期に気温が急激に下がった場合白穂となります。この場合にできた米の色は、ミルクのように白くなっていますが、十分食べられます。また、分げつ期にウンカニカメイチュウなどの害虫に栄養を吸い取られた場合などでは栄養不足で白穂になります。害虫が原因で白穂になる時は、もみの中は空洞になっている場合が多くなります。

 

参考文献:(JAグループ みんなのよい食プロジェクトより)