震災後の供給不安も背景にした24年産の高値集荷・販売が、コメ消費減退を招いた。
平成24年産米のコメ消費が減ったのは、政府も認めているように全農(JA)が生産者への仮り渡金(概算金)を豊作にもかかわらず引き上げ、それを批判した一般マスコミの報道に対しても概算金引き上げによる高値誘導を否定したことによります。
消費の減少の要因は、価格高騰により家庭でのコメ消費が減少したのに加え、豊作下の価格高騰を受けて外食・中食企業が大幅なコストアップを吸収しきれず、最後の自衛手段として使用量の削減で凌いだことにあります。その盛付量はトータルで40万トン減少とも言われています。
異常な高値のツケは、重たい24年産の持越在庫となってハネ返り、25年産の購入で仇を討たれようとしています。全農の10月末段階での持越在庫は、約28万トン発生するようだ。また、民間在庫も6月末で前年より46万トン増加している。さらに、平成25年産が「平年作」の場合は、約60万トンが過剰在庫となると言われています。
≪国内のコメ消費779万トン、50年で4割減≫
農林水産省は、国内主食米の平成24年度(2012年7月~2013年6月)の消費量が前年度比4.3%減の779万トン(前年35万トン減)だったと発表しました。
コメの消費量は1963年(昭和38年)の1341万トンをピークに減少傾向が続いており、50年間で約4割減少している。コメ離れに歯止めがかからない上、平成23年(2011年)米から続く高値傾向も影響したと見られます。
1人当たりの消費量も、1963年度の117㎏が2011年度58㎏と半減ました。1日あたりのカロリー換算では、500キロカロリー以上少ないことになります。農水省は、需要の減少傾向は当面続くと見ていますが、2013年(平年25年)度の消費量は786万トンと微増を予測しています。
【日本経済新聞】 コメの消費量減少が続いている問題は、
高い関税率で輸入を制限し、生産調整(減反)で国内価格を維持する政策が消費者や企業のコメ離れにつながったとし、政府は農地を集約し、生産コストを下げる政策を進めているのだから、安さを強みにできる大規模な農家が能力いっぱい生産できる自由な環境に変えるべきだと結論づけています。
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ユリユリ (金曜日, 15 11月 2013 15:25)
日本の消費料激ヤバNOW∑(゚Д゚)
公平 (木曜日, 30 7月 2015 14:03)
関税をなくして米の値段を世界標準価格(10kg当たり1000円以下)にすれば、米の消費量が増えると思う。
消費者は市場原理の中で暮らしており、優遇された米農業に対して不満に思っている。