卸のコメ在庫量増加、新米に影響か?

過去5年間で最高のコメ在庫数量
過去5年間で最高のコメ在庫数量

【日本農業新聞】より、

2012年産米の売れ行きの低迷を受けて卸の米在庫が膨らんでいる。3月末時点で51万トンで、この5年で最も多い。その影響で、集荷団体から卸への米の出荷も鈍化。13年産米の販売と14年産米の生産数量目標にも影響する可能性があり、米の消費回復策が求められている。(昨年同期コメ在庫は、39万トンで、約30%昨年より多い)

農水省が毎月まとめている卸の米在庫数量調査では、12年産米と11年産米を合わせると、昨年10月以降50万トン前後で推移。今年2月末には46万トンに下がったが、契約済みの米を集荷団体から引き取ったため3月末には51万トンと再び上昇した。
卸の在庫が膨らんでいるのは、前年産並みに近い量の米を仕入れたものの、小売りや中食・外食業者など実需者への納品が思うように進んでいないためだ。12年産米で価格が上がり小売価格も上昇、売れ行きが鈍化した。

米穀機構によると、1000人当たり米の購入数量(販売時点情報管理=POS、全国380のスーパー・生協を対象に調査)は出来秋の昨年10月以降、毎月、前年度の月平均を下回り、今年4月は前年同月比で10・4%なかった。
価格転嫁が難しいとして中食・外食分野では、米飯の使用量を減らす動きが出ている。大手弁当業者のヒライ(熊本市)の平井浩一郎社長は「4月から弁当1パック当たりの使用量を200グラムから190グラムに変更した」と説明する。弁当業者に納める炊飯納入業者でつくる日本炊飯協会は「駅弁やスーパー向けの弁当の容量は15~20%減らしたケースもある」と話す。

卸の中には、在庫を解消しようと小売りや同業他社に大幅に値引き販売するケースも出ているが、多くは「市中相場が下がれば差損が出てしまうので売れない」(西日本の卸)と慎重姿勢だ。
JA全農から卸への12産米の受け渡し(所有権移転=出荷)の進度も遅れている。4月末までの累計受け渡し数量は、前年比9%(12万8000トン)減の132万トン。受け渡しが遅いほど産地の保管経費がかさみ、生産者への最終精算額が目減りする。全農は「在庫が膨らんでいる状態で13年産の販売に突入した場合、価格設定や契約進度に影響する可能性がある」として、消費拡大につながる対策を検討する。

農水省は3月の食糧部会に、生産者と集荷団体、卸を合わせた13年6月末の民間在庫量について、前年同期より26万トン多い206万トンとの見通しを示した。6月末の在庫量は、11月に14年産米の生産数量目標を決める際の基礎になる。3月末時点では卸の在庫が平年に比べ10万トン前後多いことから、同省は「この水準(206万トン)をさらに上回る可能性がある。今後の在庫数量の推移を注視していきたい」(農産企画課)と話している。

 

このままの在庫数量で推移し、さらに在庫が膨らむ様なら、平成25年産米が豊作又は平年作なら新米価格に影響し新米安の古米高の新古逆転となる可能性がある。これからの6・7・8月のコメ消費並びに在庫状況に注意しなければならない。現在、過去5年で最高のコメ在庫数量となっている。

※ちなみに、平成25年産米の愛媛県のコメ生産数量目標は、76,180トン(約7万トンです。


最近のコメ事情 『5ドルで購入できるお米の重さ』

 

【ソーシャルニュース】を提供する米国BuzzFeed は、5ドルで購入できるお米の重さを伝えた。

それによると、米国では約3.18キロ、中国では約5.4キロ。アフガニスタンでは6.3キロ。これに対し、日本では5ドルでわずか0.91キロのお米しか購入できないと紹介した。

そして、「In Japan、people spend a lot of money on rice(日本では、人々はお米に大金を使っています).」という見解まで示され、日本の米価が異常に高いことに対する驚きを伝えている。