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水田の減少が、気温を上昇させている!

 

日本の水田と気温の関係!

 

水田が減少することで、日本の気温が上昇している」という興味深い研究報告がある。NPO法人 国際環境経済研究所によると、近年の気温の上昇は、地球温暖化や都市化が影響していると言われているが、実は水田が減少することで気温は上昇していると報告している。

 

水田は水辺があると、その周りは涼しくなる。つまり、水田に水が張られている灌漑期には、水の蒸発が促進され、その際に水田から大気へと水蒸気が供給され大気中の熱を奪い冷却している可能性がある。

 

国際環境経済研究所に掲載されている、中国(東北地方)で観測された気温と水田面積の興味深いデータがある。それによると、1980年から2013年の気温は上昇傾向にある(黄緑線)が、水田地帯が急増した2000年以降は気温が下がっている(紫線)。


 

また、国立研究開発法人 農業環境技術研究所の研究報告では、

 

「四国では、水田面積の減少が過去20年間の夏季の気温上昇に大きく寄与!」とある。

 

少し古いデータ報告ではあるが、農林水産省「作物統計」では2006年の全国の水稲作付面積は1987年に比べ20%の減少である。

一方、四国の同じ期間の作付面積は24%の減少であった。こうした水田面積の減少により、地球温暖化とは別に、稲作地域では7~8月の日最高気温が過去20年間に +0.13℃ 上昇している。一方、非稲作地域の土地利用変化による気温上昇は +0.03℃ に留まっている。稲作地域は、非稲作地域よりも約4倍大きな土地利用による気温上昇があった。

 

夏の水田では、大量の水が蒸発して気化熱が奪われ、周囲の気温の上昇を抑制します。こうした作用は『気候緩和機能』と呼ばれ、水田が持つ多面的機能の一つとして注目されている。

 

 

水田減少の影響で、夏の気温が上昇していた!