エルニーニョ強まる (気象庁) 

気象庁
気象庁

 

気象庁は、エルニーニョ現象が「強まりつつある」と断定。(6/10)

その影響で、今後は湿潤傾向が強まり、梅雨明けは遅くなるとみている。

【気象庁】エルニーニョ監視速報は、こちらから。


今回のエルニーニョは、昨年夏に発生し、11月に1度ピークを迎えたあと、今年3月(春)にかけて終息レベルまで弱まった。しかし、通常なら南米海域の海面水温が下がり始める春になって、逆に上昇へと転じた。冬に1度終息したかにみえたエルニーニョ現象が再び強まり、発達しながら「2年目の夏」を迎えるという過去に例のない経緯をたどっています。

 

エルニーニョ強まる!

南米沖の海面水温上昇 


気象庁の統計によると、エルニーニョ発生時の夏の低温確率は、北・西日本が38%、東日本が50%と低温傾向が現れています。全国的に梅雨明けは遅れる傾向にあります。

 

今年は豊作になりにくい傾向!


エルニーニョが発生した年は、夏の3か月平均で低温にならなくても、どこかの時期で低温・日照不足等の状況が発生し、短い期間でも水稲生育・登熟の重要なステージでブレーキをかけるケースがあるため、通年年に比べて「不作になりやすい」と同時に「豊作や大豊作になりにくい」傾向にあります。


エルニーニョ・ラニーニャ現象(気象庁)

エルニーニョとは、もともと「男の子(神の子キリスト)」を意味するスペイン語で、南米ペルー沖から日付変更線付近にかけての太平洋赤道海域(エルニーニョ監視海域)で、海面水温が平年より高くなる状態が1年程度続く、海洋現象のことです。発生すると、地球全体の大気の流れが変わるため、世界的な異常気象の引き金になるとされています。

エルニーニョが発生すると、日本の夏は全国的に気温が低くなる傾向にあります。

日本銀行内では、エルニーニョによる冷夏が個人消費や消費者心理を冷やし、景気の足を引っ張る可能性を懸念する声が出ています。

 


≪ エルニーニョ現象とコメ作況指数 ≫
発生期間 全国作況(年産)
  昭和26年春~26/27年冬    93 (26年産)
  昭和28年春~28年秋   84 (28年産)
  昭和32年春~33年春  107(32年産)
  昭和38年夏~38/39年冬  101(38年度)
  昭和40年春~40/41年冬  97 (40年産)
  昭和43年秋~44/45年冬  102(44年産)
  昭和47年春~48年春  103(47年産)
  昭和51年夏~52年春  94 (51年産)
  昭和57年春~58年夏  96 (57年産)、96 (58年産)
  昭和61年秋~62/63年冬  102(62年産)
  平成3年春~4年夏  95 (3年産)、101(4年産)
  平成9年春~10年春  102(9年産)
  平成14年夏~14/15年冬  101(14年産)
  平成21年夏~22年春  98 21年産
(注)作況指数は夏(6~8月)にエルニーニョが発生していた年のみ。