エルニーニョ 5年ぶり発生 冷夏か 【気象庁・修正】

気象庁
気象庁

夏には、年ぶりに

エルニーニョ現象」 の発生に近づいた

 

気象庁は6月25日、7~9月の3ヶ月予報を発表しました。

今夏、5年ぶりに発生が予想されるエルニーニョ現象に伴い、特に北日本で冷夏になると見込んでいたこれまでの予報を修正し、全国的にほぼ平年並みの暑さのなると分析している。

冷夏の恐れ農水省も注意喚起)を修正❢

 

平年並みの暑さ

 

〓≪これまでの発表≫〓

前々回速報では、「夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生する可能性が高い」と、前回速報では「夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高い」と、そして今回速報では「エルニーニョ現象の発生に近づいた」と分析している。 

前回に続いて太平洋赤道域の全域で暖水の蓄積がみられ、これが夏にかけて東進して東部太平洋域(南米ペルー沖)の海面水温が上昇し 本格的なエルニーニョ発生に至る前段階に入った といえる状況です。夏にエルニーニョ現象が発生した年は、北日本を中心にほぼ全国的に低温になりやすい傾向がある。

【注意が必要】

今夏のエルニーニョ現象は、1997年以降で最も本格的なものになる可能性がある。

 

今回速報は、こちらから。【PDF】 平成26年6月10日気象庁発表

前回速報は、こちらから。【PDF】 平成26年5月12日気象庁発表

前前速報は、こちらから。【PDF】 平成26年4月10日気象庁発表

夏の天候の見通しは、こちらから。【PDF】 平成26年2月25日気象庁発表

 

気象庁の資料によれば、エルニーニョ現象発生時の日本の夏の特徴は、コメの大産地である北日本を中心とする冷夏傾向が統計的に出ており、特に北日本の太平洋側では低温・多雨・寡照に、日本海側でも低温・寡照になりやすい。東・西日本の全域も低温傾向で、西日本は日本海側が低温・多雨、太平洋側が低温・寡照傾向にある。

 

前回のエルニーニョ現象は、2009年夏から2010年春にかけて発生。全般的に梅雨明けが遅く、水稲は7月の寡照で籾数が抑制。9月の天候は多照で推移し、登熟は概ね順調だったが、北海道は例外の影響で作柄不良となった。2009年(平成21年産)の全国単収は522㎏、作況98だった。

 

エルニーニョ・ラニーニャ現象(気象庁)

エルニーニョとは、もともと「男の子(神の子キリスト)」を意味するスペイン語で、南米ペルー沖の太平洋赤道域で、海面水温が平年より高くなる状態が1年程度続く、海洋現象のことです。発生すると、地球全体の大気の流れが変わるため、世界的な異常気象の引き金になるとされています。

エルニーニョが発生すると、日本の夏は全国的に気温が低くなる傾向にあります。

日本銀行内では、エルニーニョによる冷夏が個人消費や消費者心理を冷やし、景気の足を引っ張る可能性を懸念する声が出ています。

 


≪ エルニーニョ現象とコメ作況指数 ≫
発生期間 全国作況(年産)
  昭和26年春~26/27年冬    93 (26年産)
  昭和28年春~28年秋   84 (28年産)
  昭和32年春~33年春  107(32年産)
  昭和38年夏~38/39年冬  101(38年度)
  昭和40年春~40/41年冬  97 (40年産)
  昭和43年秋~44/45年冬  102(44年産)
  昭和47年春~48年春  103(47年産)
  昭和51年夏~52年春  94 (51年産)
  昭和57年春~58年夏  96 (57年産)、96 (58年産)
  昭和61年秋~62/63年冬  102(62年産)
  平成3年春~4年夏  95 (3年産)、101(4年産)
  平成9年春~10年春  102(9年産)
  平成14年夏~14/15年冬  101(14年産)
  平成21年夏~22年春  98 21年産
(注)作況指数は夏(6~8月)にエルニーニョが発生していた年のみ。