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暑さ寒さも彼岸まで (慣用句)

8月のお盆が過ぎたあたりから、9月の台風18号通過後、朝晩気温が徐々に下がりはじめ、肌寒くなりました。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、冬の寒さ(余寒)は春分頃まで、夏の暑さ(残暑)は秋分頃までには和らぎ、凌ぎやすくなる』という慣用句です。

 

春分や秋分は二十四節気のひとつで、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。秋は秋分の日を境に日が短くなっていき、秋の夜長に向かいます。つまり、太陽の出番がどんどん短くなるので、暑さも和らいでいくわけです。春はこの逆です。

しかし、昼と夜の長さが同じだからといって、春分と秋分の気候が同じになるわけではありません。暑さの名残で秋分の方が10℃以上も気温が高いのですが、厳しい暑さや寒さも目処がつく頃なので、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるようになったそうです。

 

「彼岸」とは、雑節のひとつで、三月の春分(3/20頃)・九月の秋分(9/23頃)を中日とする前後三日間を合わせた七日間のことです。春の彼岸を「彼岸」「春彼岸」と呼ぶのに対し、秋の彼岸を「のちの彼岸」「秋彼岸」と呼びますが、いずれの彼岸もお墓参りに行く風習があります。

 

「暑さ寒さも彼岸まで」は、春分と秋分の太陽に関係があります。仏教では、生死の海を渡って到着する悟りの世界を「彼岸(ひがん)」と言い、その反対側の私達がいる世界を「此岸(しがん)」と言います。そして、彼岸が西に、此岸は東にあるとされていて、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考え、先祖供養をするようになったそうです。