雑穀 あれこれ
雑穀は体内の環境汚染・破壊を止める
古い昔からほんの50年前までの2000年もの間、私達の先人はずっと「雑穀」を食べて生きてきました。そのため、私達の体の代謝システムは、雑穀の栄養素全てを効率よく使うように対応してきました。ところが、第2次世界大戦後、暮らしが豊かになり「雑穀」が食卓から消え、ついには米の消費量まで減り始めました。
そして、現れたのが「生活習慣病」と「アレルギー」です。
今、太古から日本人の体を作ってきた「雑穀」が見直されています。
私達は、玄米の方が良い、五分づきより三分づきの方がさらに良いことを知りながら、もっとも栄養がある胚芽の部分を今、全部捨ててふつう精白米を食べています。
「雑穀食」のメリットは、“胚芽”をそのまま食べられること。つまり、玄米的に食べることが出来ることです。
特に、雑穀が優れているのは、「粒」が小さい点です。アワ、キビも、お米の大体5分の1。どんなに小粒でも中に生命があれば、一粒一粒に発芽に必要な栄養成分、遺伝子を守ろうとする“抗酸化成分” や“ビタミン類、ミネラル”などが多く含まれています。同量でも、お米の5倍摂取できることになります。
つまり、雑穀は粒が小さいため、生命の源である胚芽を一度に多く取ることができるのです。
胚芽には、抗酸化成分が多量に含まれているので機能性食品として、美容やダイエットに敏感な若い女性を中心にとても人気がでています。
雑穀の国内産自給率は?
あわ・ひえ・きび 合計=5.9% はと麦=9.9% 大麦・裸麦=8.7%
戦後の白米中心の食生活で雑穀は忘れ去られ、国内の生産量は激減しました。今、雑穀ブームとなり生産量も増えてきましたが、それでも、国内自給率は10%にも満たないのが現状です。
国内で流通の雑穀の90%以上が、中国・東南アジアを中心とした輸入原料で、安全性(農薬・殺虫剤・保存料)への心配が懸念されています。輸入の雑穀米は甘みや旨味がほとんど無く、パサパサして口ざわりが悪いです。これらの輸入米を白米に混ぜると、ごはんがゴワゴワ・パサパサとした食感となり、白米本来の甘みも消えてしまいます。
一方で、国産の雑穀米は口ざわりも良く、甘みや旨味もあるので、白米に混ぜると逆に美味しくなります。
雑穀は乾物ですが、乾燥が進みすぎないうちに、また酸化などの劣化が進まないうちに食べたほうがおいしいもの。ビニール袋などに入れて密閉しても、袋には目に見えない繊細な穴があるので、中に入れた雑穀はわずかながら空気に触れて呼吸しています。
保存状態にもよりますが、基本的に一年以上をめどに食べたほうがおいしいでしょう。
雑穀は、比較的味が落ちにくいですが、時間がたてば色がくすむなどしてくることもあります。また、少しずつ水分が飛んでいくので、浸水を長めにしたり、加熱時間を長くするなどの調節をしてください。
雑穀の保存は空気に触れさせず、光を当てず、低温の場所が一番です。手軽なのは、密閉できる小さな容器や、小さめのペットボトルを洗って乾かし、そこに入れて冷蔵庫で保管する方法です。冷蔵庫からの出し入れが多いと温度差で水滴がついたりして劣化のもとになるので、小分けにするのがポイントです。
雑穀の保管場所の温度や湿度によっては、虫やカビが発生することもあるので、ご注意を。とくに温湿度ともに高い夏場は気をつけてください。