分づき米 あれこれ
8分づき・7分づき・5分づき・3分づき・1分づき
玄米には、ビタミンやミネラルなど身体に必要な栄養素が豊富に含まれていますが、硬くて消化吸収が悪く、玄米にこだわる方以外の人にはなかなか馴染めません。そこで、玄米の優れた栄養素を残しながら、食べやすくした「分づき米」をお勧めします。
精白米は、玄米から果皮・種皮、糊粉層と呼ばれるぬか部分を完全に取り除いたものです。
「分づき米」は、精米の際に玄米から胚芽やそのぬかの部分を一部残して精米したお米をのことです。
分づきには精米度合によって、
【三分づき】【五分づき】【七分づき】などがあり、数字が大きい順に精白米に近くなります。胚芽やヌカには食物繊維やカルシウム、鉄などのミネラル、ビタミンB1やビタミンEなどの栄養素が豊富に含まれており、精米度合が低いほうが栄養価は高くなります。
「分づき米」には特有の風味があり、また若干消化にやや時間がかかるため、適量を白米と混ぜて炊いてもよいでしょう。分づき米が初めての方や、健康に気を使っていらっしゃる方で「玄米食」が苦手な方は、白米と見た目や食感も近い「七分づき米」から試してみることをおすすめします。
(注意)
玄米や胚芽米は、よく噛まないとのどを通らないので、玄米を白米のようによく噛まないで食べると胃腸があまり丈夫でない方だと、胃腸障害を起こす可能性があります。したがって、玄米食は「噛む習慣」を付けるためには理想的な食材といえます。伝統食玄米の苦手な方には、初回は「七分づき米」をおすすめします。
精白の程度を抑えた「分づき米」は、戦前にはビタミン不足を解消するために提唱されました。米の精白は胚芽、果皮、種皮、糊紛層(まとめてヌカという)を除去したもので、完全な精白米では、元の玄米に対する精米の重量が90%程度で、ヌカは約10%になります。胚芽や果皮を残す程度によって、栄養や食味に大きな違いが出ます。
「七分づき」は、精米重量の7%にあたるヌカ部を除去したコメです。種皮の内側のデンプンとの境にある糊紛層(アリューロン層)の内側は、食味を向上させるアミノ酸などの成分が、白米のデンプン貯蔵細胞よりも多い。
そのため、ヌカを完全に取り去るのではなく、精白の程度をやや落とす方法も行われています。
ほんのわずかに胚芽の凹んだ部分に色が残る程度の精白米の食味が良い傾向にあります。
玄米
玄米は、精米しないので胚芽部分はそのまま付いており、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいます。
食物繊維は白米の6倍。
ヌカ層がそのまま残っているので、硬くて調理しにくく、不消化性繊維が多く消化吸収が悪いので、よく噛んでお召し上がり下さい。胃腸の弱い人は不向きです。
しかし、せっかくぬか層やサピオ層に含まれる高い栄養素を捨てるのにはもったいなさ過ぎます。そこで、「分づき米」をお勧めします。
※玄米は、家庭用精米機をお持ちの方にはおすすめです。
一分づき米
玄米とほぼいっしょ。玄米の表皮に少しキズをつけて、水の吸収を良くして、炊きやすくしたものです。
三分づき米
玄米の表皮を3割を目安に削ることでぬか層がほぼ残り、胚芽(はいが)の栄養はそのまま玄米の香りが楽しめます。玄米よりは軟らかく食べやすくなっています。こちらも消化吸収が悪いので、よく噛んでお召し上がり下さい。水加減を多少増やすともっちり炊き上がります。三分づきは、まだ玄米に近く茶色が目立ちます。よく噛んでお召し上がりください。
五分づき米(半づき米)★やせたい人には効果的!
玄米のヌカ層を半分取り除いたお米のことで、胚芽もヌカも50%以上残っています。胚芽の栄養は、ほぼそのまま白米と玄米のちょうど中間なので、玄米ごはんの香りとごはんの甘みが楽しめます。栄養素を白米と比較すると、ビタミンEは2倍以上、ビタミンB1は4倍以上、繊維質も約2倍含まれています。玄米より消化吸収が良く、食べやすくなります。ただし、食味は白米より劣ります。
※浸水時間は最低2時間以上、炊飯時の水量は白米の2割増しで炊いて下さい。‥[歩留=96%]
七分づき米 ★分づき米初心者に最適!
玄米の糠層(果皮、種皮から糊粉層までの層)と胚芽の部分を7割程度剥離した精米のことでお米に白さがあり、胚芽の栄養が一部残っています。7分づき米は、通常の炊飯と同じ方法で炊くことができるので、初めての人でも食べやすく(一番人気)、白米とほとんど変わりないのでおすすめです。やはり、白米に比べるとやや硬さが残りますので、好みに応じて搗き加減を変えると良いでしょう。2時間は浸した方が無難です。白米より味わいがあって好きと言う方が多いです。‥[歩留=94%]
白米
玄米を100%精米し、栄養分である胚芽やぬか層をほとんど取り除いているので分づき米に比べて栄養価は低い(ビタミンB1が玄米の5分の1、ビタミンEは4分の1)ですが、消化吸収が良く、お米の甘みやもっちりとした味わいを楽しめます。ピカピカに磨き上げられた白米をふっくらと炊き上げたご飯は、見た目も食味も最高です。浸水時間は、少なくとも最低1時間以上かけて下さい。‥[歩留=92%]
分づき精米 |
胚芽 部分 |
ぬか層 | 歩留 | 特 徴 |
玄米 | そのまま | そのまま | 精米しないで、ビタミン・食物繊維が豊富 | |
3分づき米 |
そのまま | 約30%除去 |
ぬか層がほぼ残り、 胚芽の栄養はそのまま玄米の香りが楽しめる |
|
5分づき米 |
ほぼ残る | 約50%除去 | 96% |
ぬか層が少し残り、 胚芽の栄養はほぼそのまま白米と玄米のちょうど中間なので、玄米ごはんの香りとごはんの甘みが楽しめる |
7分づき米 |
一部残る | 約70%除去 | 94% |
お米に甘さがあり、胚芽の栄養が一部残っている 分づき米が初めての人でも食べやすい |
白米 | 完全除去 | 完全除去 | 92% |
栄養分である胚芽やぬか層を取り除いているので分づき米に比べて栄養価は低いが、消化吸収が良く、お米の甘みやもっちりとした味わいを楽しめる |
栄養のもとである胚芽やぬか部分をあえて残しているため、力を入れずにやさしく洗いましょう。
※白米のときよりも柔らかく、胚芽が取れないよう、やさしく洗います。
玄米モードのあるマイコン炊飯器では浸水の必要はありません。マイコンなしの炊飯器や鍋の場合、白米より長め(五分づきで2時間以上)に水に浸します。炊くときも、若干水加減を多めにするとよいでしょう。
分づき米は、鮮度が悪く(酸化)なると、胚芽部分が取れやすくなるだけでなく、ビタミンB1などが壊れてしまい、ぬか臭さも出て、味が極端に落ちてしまうので、冷蔵庫の野菜室で保管して下さい。分づき米は、白米よりも日持ちのしない米です。
分づき米は、ぬか層が残っていますので長時間保温されると、ぬか臭さや変色の恐れがございます。なるべく長時間の保温は避けて早めに食べ切りましょう。
玄米や分づき米は、ちょっと工夫することで美味しく食べれます。例えば、玄米や分づき米に、白米に似た粘り気が欲しい場合は、いっしょに炊く副雑穀を工夫すると良いでしょう。「もち麦」「押麦」や「もちあわ」「もちきび」「アマランサス」、古代米「黒米・赤米・緑米(もち系)」などの副雑穀を混ぜることによって、炊き上がったときモチモチとした粘りが出ます。
炊く前に、ティースプーンに半分ぐらいの自然塩を加えて下さい。塩は血圧の上昇を招くので控えている人が多いですが、それは精製塩を使っているからです。
当店の玄米は、最新鋭の「玄米色彩選別機」にて小さな着色粒、異物(ガラス・石)、被害粒(カメ虫被害等)、雑草(クサネム)、やもみ等を除去した玄米調整したものを販売しています。
玄米の皮(果皮)の細胞に葉緑素が残っているために緑色になっているものです。一般には、「青未熟粒」と呼ばれ、出穂や開花が遅れたために充実不足の状態で刈り取られたものが多いのですが、葉緑素が残っていても成熟している場合もあります。
青未熟粒は、収穫適期より早く刈ったり、実りの時期の後半で低温が続いたり日照が不足したりすると発生が多くなります。また、成熟の不十分なものほど緑色が濃くなりますが、青未熟粒を食べても健康上の問題はありません。