いま、食と健康の世界で熱い視線を浴びている食材
大麦 あれこれ
大麦の人気の秘密はズバリ「食物繊維」中でも、水溶性食物繊維「大麦β-グルカン」
がたーぷり!
食物繊維 白米の20倍
NHK・フジテレビ・テレビ朝日が、
特番スペシャルで放送、人気爆発!
白米に含まれる食物繊維は、100グラムあたり約0.5グラムに対し、大麦に含まれる食物繊維は100グラムあたり約10グラムとかなり多く、白米の約20倍です。
また、玄米に含まれる食物繊維は、100グラムあたり約3グラムです。
しかも、大麦の場合、食物繊維の一種のβ(ベータ)-グルカンが可食部分の胚乳に分布するため、押し麦にしても米粒のような形に加工しても、その食物繊維量はほとんど減らない利点があります。
大麦の食物繊維
(水溶性食物繊維・大麦β-グルカン)
「大麦」に豊富に含まれる、水溶性食物繊維β-グルカンには有益な働きがあります。
① 糖質の吸収を緩やかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑える。
② 血中コレステロール濃度を正常にさせる。
③ 内臓脂肪の蓄積を抑える。
④ 腸内にいるビフィズス菌など善玉細菌のエサになり、
腸内環境を改善する。
大麦の効果は、「セカンドミール効果」(セカンドは2回目、ミールは食事の意味)です。これは、例えば朝食で大麦を摂取すると、昼食の時にも血糖値の上昇抑制などの効果が発揮され、夜に大麦を食べれば、その効果は翌朝も表れます。
最近、ごはんやパンなどの糖質を制限する糖質制限食(ダイエット)が流行っていますが、極端に糖質を制限すると、腸内細菌のエサ不足となり、腸内環境が悪化する可能性があります。私たちの体の腸の中にいる腸内細菌は100兆個以上と言われ、この腸内細菌が肥満や生活習慣病に大きくかかわっていて、この腸内細菌を元気にするには、エサとなる食物繊維の摂取が重要と言われています。この食物繊維の豊富な穀類をしっかり取ることが現在大切なのです。
大麦の効果は、米国では「血中コレステロールの低下による冠動脈疾患のリスク低減」という健康強調表示が米国食品医薬品局によって認められています。
欧州食品安全機関(EFSA)も「食後血糖値の上昇抑制」「血中コレステロール低下による心臓疾患リスクの低減」「排便の促進」の表示が認められています。
日本では欧米のような疾病に関する強調表示は認められていませんが、機能性表示食品制度で、大麦の効果として「コレステロールを低下させる」「腸内環境を改善する」「糖質の吸収を抑える」といった表示が可能となりました。ただし、この表示は国が審査して許可したものではなく、一定の科学的な根拠えお基に事業者が自己責任で表示したものです。
そもそも 食物繊維 とは‥
食物繊維といっても、実は水に溶ける水溶性食物繊維と、水の溶けない不溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維は、スポンジのようなもので腸内細菌がほとんど食べることは出来ず、そのまま腸を通過していくだけです。もちろん、便秘の解消には効果があり、腸内環境の向上には役立ちます。
それに対して、腸内細菌のエサになって、積極的に腸内環境を整える役割が高いのは水溶性食物繊維です。
野菜には食物繊維が多く含まれていますが、野菜に含まれる食物繊維の多くは不溶性です。水溶性食物繊維を多く含むのは、ゴボウなどの根菜類、海草、そして穀類です。穀類の中でも、米や小麦は水溶性食物繊維の比率は少なく、大麦は比較的多いです。
そもそもβ-グルカンとは‥
ブドウ糖が多数つながった多糖類は、その構造からα型とβ型に分けられる。β-グルカンというのは、このβ型の構造を持つ多糖類の総称だ。大麦以外にも、キノコ類や酵母、藻類、そして野菜の繊維質にも、広く含まれている。つまりβ-グルカンという呼称は、これ! という単一の物質を指すわけではない。大麦に多いのはこのタイプ、キノコ類にはこのタイプ……など種類が異なるので、「食品ごとの含有量を一概に比較するのは難しい」と大野教授。ちなみに、野菜全般の繊維質に多く含まれるタイプのβ-グルカンでは、免疫力アップ作用が確認されていないという。
大麦のβ-グルカンは、100gに3~5g程度含まれるが、品種別では、「うるち性」よりも「もち性」に多く含まれる。
麦飯男爵(ビタミンの父)高木兼寛
明治時代に日本では「脚気」が流行し、死に至る病気として人々に大変恐れられていました。
この脚気の原因が「食事にある!」と考えた海軍軍医の高木兼寛先生は、海軍の兵隊さんの食事に麦ごはんを入れ、長い航海中、脚気患者を一人も出さなかったという話は有名です。
【参考文献】
◍「食物繊維の生理作用」 大妻女子大学 青江誠一郎教授
◍「大麦β-グルカンの機能性について」 大妻女子大学 青江誠一郎教授
◍「大麦の各国における健康強調表示」 大麦生活
◍「大麦でメタボも解消」 大麦食品推進協議会
◍「最近の大麦最新情報」 高β-グルカン大麦利用連絡会